四国のおすすめ
[四国EPO・四国ESDセンターが、みなさんにおすすめしたい!と思った事例をご紹介していきます]

「環境首都 あどぷと・エコスクール」における取組について

徳島県危機管理環境部環境首都課 槌谷幸司

 「環境首都 あどぷと・エコスクール」とは、道路や河川で行われているアドプト(養子縁組)方式を学校の環境学習活動に適用し、「地域の人づくりを地域の企業等が支える」という考えの下、事業者・民間団体が「里親」となり、「養子」である学校の環境学習活動を支援する制度で、徳島県が平成19年度に創設した。この制度に基づき、環境の世紀と言われる21世紀をリードする「環境首都とくしま」の実現に向け、高い環境意識のもと主体的に行動する人材育成のため、大塚グループ(大塚製薬㈱、大塚化学㈱、大鵬薬品工業㈱)と学校、県内の環境活動の実践を支援するNPO法人環境首都とくしま創造センターが、毎年養子縁組の協定を締結している。令和元年度から3年度までの3年間は、徳島市加茂名南小学校が「養子」として活動している。

令和元年度の加茂名南小学校の主な取組内容は以下の通りである。
1)加茂名南小学校5年生における総合的な学習の時間の学習のカリキュラムの一環として活動計画に基づき実施した。
2)環境学習出前授業、袋井用水を美しくする会、徳島市環境保全課の方々など、外部講師を活用し現場で活動する人々の声を聞いた。
3)大塚製薬㈱徳島板野工場の見学を行い、環境に対する企業の取組や、ビオトープと生態系の保全に関する企業努力を学び、自分たちの学校にあるビオトープ保全に生かした。
4)校内人権集会及び環境学習フォーラムにて、1年間の学びと取組について幅広い世代に広報と発信をした。

 学習カリキュラムや学習計画については、素案を学校が提示し、合同会議の中で大塚3社とNPO法人とで案を練る。学習に必要な経費についても、大塚3社とNPO法人が出し合い、学校の負担軽減と児童の学習支援を積極的に行っている。

 この制度により、協定を締結した団体同志が積極的に環境保全への活動を行うことにより相乗効果が生まれる。学校は、企業の取組を直に学べることで、学校の枠を飛び越えた学習が可能になり、より深化した環境学習を進めることができる。他方、企業は、自社での活動をPRするとともに、実際の学校現場の状況を知ることができ、どのような支援のあり方が効果的なのかということを検討しながら、今後の企業活動にもつなぐことができる。NPO法人及び徳島県としては、幅広い団体や世代に向けて、環境意識に対する啓発が行えるとともに、多様なつながりを構築していくことにより、環境首都とくしまを推進することができる。

 学校が企業と連携して取り組む環境学習は、児童の学ぶ意欲を高め、環境問題への意識向上に期待ができる事業ではないだろうか。本事業が、さらに深化し、次世代の環境学習支援モデルになるよう願っている。

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避難所における車中泊利用

四国地方ESD活動支援センター運営委員 山﨑水紀夫

ここ数年、毎年のように各地で大雨による被害が発生している。気象庁はこれらの水害は気候変動による地球温暖の影響が考えられるとし、注意を喚起している。ここ数年の日本周辺の年平均気温は1.14℃上昇しているとのこと。特に2018年の東日本周辺は平年より+1.7℃と過去最高を記録した。その2018年(平成30年)には気候変動適応法が制定され、気候変動を緩和する対策を取りつつも、私たちの生活や経済活動がある一定の気候変動にも耐えられるよう、それぞれが事前に備える適応策の推進が重要とした。

災害が、起こる前にさまざまなことを想定し、複数の選択肢を持つことが適応力では重要。そこで、適応策の1案として、この度高知県内で自治体向けに行われた避難生活における「車中泊訓練」の事例を紹介する。

提案したのは、防災啓発団体「高知防災プロジェクト」(山﨑水紀夫代表)。これまでの豊富な被災地支援の経験から、車中泊の利点や注意点などを利用者と運営者側の視点で訓練を行っている。

避難所に多く使われている学校の体育館は温度・湿度管理ができないという致命的な欠陥があり、災害関連死の大きな原因とされている。ほかにも感染症やプライバシー問題、ペット同伴の人等にとって、このような避難所での生活は困難と感じるケースもあり、車中泊を選択する人は増加傾向にある。こうした背景を踏まえて、自治体も「車中泊」を支援する時期に来ているとして検討が始まった。

「車中泊」の利点は家族以外からの感染症リスクが減らせることや、プライバシーの確保などの他、室内温度調節も可能となるなどの利点もある。その一方で、同じ姿勢で長時間座ることで、いわゆるエコノミークラス症候群のリスクが高まる。そのため足が延ばせるフラットな広さが確保できる車であることや着圧ソックスを備蓄できていることなど、事前に受け入れ条件を周知しておくことが必要となる。また、電気で走るEV車は停電時にも大きな力を発揮する。

避難所の運営側も車中泊に備えた専用スペースの確保と着圧ソックスの備蓄をすすめ、車中泊受け入れ訓練をするなど、新たな適応策を取り込み、適応力を高めることが望まれる。

※避難指示が出ている状態での緊急避難は含んでいない。