四国のおすすめ
[四国EPO・四国ESDセンターが、みなさんにおすすめしたい!と思った事例をご紹介していきます]

避難所における車中泊利用

四国地方ESD活動支援センター運営委員 山﨑水紀夫

ここ数年、毎年のように各地で大雨による被害が発生している。気象庁はこれらの水害は気候変動による地球温暖の影響が考えられるとし、注意を喚起している。ここ数年の日本周辺の年平均気温は1.14℃上昇しているとのこと。特に2018年の東日本周辺は平年より+1.7℃と過去最高を記録した。その2018年(平成30年)には気候変動適応法が制定され、気候変動を緩和する対策を取りつつも、私たちの生活や経済活動がある一定の気候変動にも耐えられるよう、それぞれが事前に備える適応策の推進が重要とした。

災害が、起こる前にさまざまなことを想定し、複数の選択肢を持つことが適応力では重要。そこで、適応策の1案として、この度高知県内で自治体向けに行われた避難生活における「車中泊訓練」の事例を紹介する。

提案したのは、防災啓発団体「高知防災プロジェクト」(山﨑水紀夫代表)。これまでの豊富な被災地支援の経験から、車中泊の利点や注意点などを利用者と運営者側の視点で訓練を行っている。

避難所に多く使われている学校の体育館は温度・湿度管理ができないという致命的な欠陥があり、災害関連死の大きな原因とされている。ほかにも感染症やプライバシー問題、ペット同伴の人等にとって、このような避難所での生活は困難と感じるケースもあり、車中泊を選択する人は増加傾向にある。こうした背景を踏まえて、自治体も「車中泊」を支援する時期に来ているとして検討が始まった。

「車中泊」の利点は家族以外からの感染症リスクが減らせることや、プライバシーの確保などの他、室内温度調節も可能となるなどの利点もある。その一方で、同じ姿勢で長時間座ることで、いわゆるエコノミークラス症候群のリスクが高まる。そのため足が延ばせるフラットな広さが確保できる車であることや着圧ソックスを備蓄できていることなど、事前に受け入れ条件を周知しておくことが必要となる。また、電気で走るEV車は停電時にも大きな力を発揮する。

避難所の運営側も車中泊に備えた専用スペースの確保と着圧ソックスの備蓄をすすめ、車中泊受け入れ訓練をするなど、新たな適応策を取り込み、適応力を高めることが望まれる。

※避難指示が出ている状態での緊急避難は含んでいない。