四国のおすすめ
[四国EPO・四国ESDセンターが、みなさんにおすすめしたい!と思った事例をご紹介していきます]

佐田岬裂き織り保存会「オリコの里 コットン」

「裂織り」をご存じでしょうか。経糸(たていと)に木綿など丈夫な糸をかけ、緯糸(よこいと)に使わなくなった布を細く裂いて糸状にしたものを使って織る織物のことです。愛媛県内では佐田岬半島の各地域で裂織りが作られていました。半纏(はんてん)や袖なしのベストなどに仕立てられ、作業着や防寒着、法被などにも使われていましたが、昭和40年代ころから廃れていったそうです。

■裂織り体験の様子

その後、三崎地域において裂織り保存の機運が高まり、2002年に保存会が発足し、旧大佐田小学校に「オリコの里 コットン」が開設されました。

オリコの里にはかつて活用されていた裂織りの衣類が展示され、その風合いや歴史を見学できるとともに、機織り機が12台設置されており、2時間程度で裂織りのテーブルクロスを仕上げる機織りも体験できます。

■オリコ、ツヅレなどと呼ばれる裂織りの衣類

緯糸に使う布は、古くなった浴衣や衣類、使われなかった反物などに加え、最近ではタオル製造の過程でできる長い切れ端が、今治のタオル製造会社から提供されているそうです。

■古い浴衣を割いて緯糸にします

■タオル製造の過程ででる切れ端も緯糸に

佐田岬半島は南北に狭く、山がちの地形で農地が少ないことから綿花の栽培が難しく、布が貴重であったといいます。着物はほどいて仕立て直し、その生地がすり減ってしまったら、裂織りにして半纏にし、それでも使えなくなったら、体の脂が染み付いているのでよい焚き付けになった…と、保存会の方が教えてくださいました。

■裂織りのマット。緯糸の柄が表情を作ります

現在、私たちの暮らしにあふれる衣類・布類ですが、50年ほど前までは大切にリサイクル、アップサイクルされており、当時の思いに気づかされます。数年前にここで機織りを体験させていただきましたが、無心に作業に没頭し、安らかな気持ちになったことが忘れられません。

保存会では「布を裂いて糸を作るところから、じっくり作業して作品を仕上げたい」というニーズに応えるために、近隣の二名津地区の空き家を改修して滞在型の「オリコの里」を準備中とのこと。ここを拠点に、岬の先端を訪ねたり、食などの文化を堪能したりと、風土に根差した佐田岬の暮しを楽しめそうです。

 

オリコの里 コットン

愛媛県西宇和郡伊方町大佐田

090-2783-8357(裂織り保存会代表:小林さん)

体験受付:2日までに電話予約

体験料:テーブルセンター2500円~

第6回四国環境パートナーシップ表彰

今回が6回目の開催となる四国環境パートナーシップ表彰では、「ESD人材育成部門」と「地域課題解決部門」において募集を行いました。

審査委員による書類選考の結果、5団体のファイナリストが選出、表彰式での活動発表を経て、パートナーシップ大賞、優秀賞が決定しました。

※下記、部門、都道府県、五十音順記載

■パートナーシップ大賞(地域課題解決部門)
活動名:黒潮薪本舗プロジェクト
団体名:株式会社 相愛(高知県)

■優秀賞(地域課題解決部門)
活動名:南予地域エコツーリズム推進協議会(準備会)
団体名:愛媛ダイビングセンター(愛媛県)

■優秀賞(地域課題解決部門)
活動名:3R貝絵アートコンテスト・展示会(施設展示とWeb展示)
団体名:NPO法人スペースゆう ともの会(愛媛県)

■優秀賞(地域課題解決部門)
活動名:生物多様性構内外育成保護活動
団体名:東芝ライテック株式会社 今治事業所(愛媛県)

■優秀賞(ESD人材育成部門)
活動名:「木育」をとおした持続可能な森林環境・資源づくりと活用への取組み
団体名:株式会社フォレストバンク(徳島県)

団体からの活動発表では、それぞれの取組の中で、足りないところを補い合い、他団体と役割分担しながら、活動を展開している事例も多く、協働の拡がりを実感する機会となりました。

その後、EPO東北の協力を得て、ケンタロ・オノ氏による講演をいただきました。
キリバスは地球温暖化により、多大な影響を受けているというお話の中で、何が起こっているかを知ることや、一人一人の小さな意識や行動の重要性を力強く、かつ、熱いメッセージとともに伝えてくださいました。

活動を行う団体同士が集り、学びあいを深めることができたことに加え、地域や世界のつながりを実感し、今後の活動の原動力にもつながる場となりました。

四国EPOでは、今後も皆さんの活動を発信等を通じて応援していきたいと考えています。

ジオの鼓動と人と地域をつなぐ拠点 足摺宇和海国定公園竜串ビジターセンター「うみのわ」

高知県の西南、土佐清水市竜串に足摺宇和海国定公園竜串ビジターセンター「うみのわ」が2020年3月に設置されました。ここでは、この地域の特色ある自然や文化を伝え、次世代につなげる拠点としてさまざまな活動を行っており、次の5つの基本的機能があります。

・つ ど う:気軽に集い語り合う場の提供

・つたえる:情報発信や体験プログラム等による学びの場

・いざなう:地域の自然・文化との出会いをつなぐ

・しらべる:調査・研究への支援

・つ く る:人と人をつなぎ、多様性を活かした新たな価値を創造する

この地域は、大地の隆起・風化侵食でできた壮絶な姿を観察できる場所となっています。かつて日本列島は大陸の一部でした。この地域の大地の大部分は、このころに海底で積もった砂や泥がプレートの動きによって陸に押しつけられてできた地層が隆起してできています。

竜串海岸ではその後日本列島が大陸から離れ現在の位置に移動するころに、頻発していた地震や海底地すべりによってぐにゃぐにゃになった地層を見ることができます。地下ではマグマが大地を持ち上げ、やがて足摺岬を形づくり、現在の姿になりました。

竜串海岸では、大地の変動や生きものの痕跡、自然の営みが創りだした奇岩がたくさんあります。すぐにでも海岸に行きたいところですが、まず「うみのわ」でこの地域の森里川海の情報を入手することをお勧めします。

展示を見る、触るだけでなく、スタッフから展示の説明を聞いてみましょう。森から海への繋がり、暮らし、産業などがこの地域の自然と密接に関連していることが立体的に感じられ、大地のドラマとともに知的好奇心を掻き立てます。

美しい景色を写真に撮るだけでなく、ぜひ一つひとつに大地のドラマとそこに生きた生物にも思いをはせてもらいたいものです。

例えば、コンクリーションという茶色く酸化した丸い塊は、生きものの遺骸の成分が化学反応を起こしてできたとのこと。海岸のあちこちの岩にくっついており、不思議な光景となっています。それを「うみのわ」では手に持ち、重さを実感することができます。なんと、火星にも似たものがあるとのことで、思いは他の惑星の生きものの存在にも広がります。

また、スナモグリが作った巣穴が化石となったものや、砂岩にしみ込んだ海水が乾いて結晶化することで岩に丸い穴をあけ(タフォニ)、それが連なることでレース状となったもの、水の動きが波模様となって残った漣痕(リップルマーク)など、自然がつくる妙に興味は尽きません。

その他、「うみのわ」周辺には、貝殻やサンゴでできた砂浜や、豊かな海の生態を学べる足摺海洋館「SATOUMI」、サンゴや海底の生き物を観察できるグラスボート、気軽に海中が見える足摺海底館、貝殻を集めた海のギャラリー、キャンプ場など、この地域の「知りたい」「体験したい」に応える施設がたくさんあります。

過去のことを知り、地域の大地や気候、生態系、そして森里川海の繋がりが私たちの今の暮らしと産業・文化につながっていることに気づくことで、これからの私たちの暮らし方や未来の姿の方向に思いをはせることが出来るのではないでしょうか。

「うみのわ」では、自然ガイドや観光コンシェルジュをはじめとする様々な専門性を持ったスタッフによって、遊びや学び、体験をサポートしてもらえます。また、20名ほどで集い、学びあう交流の場として利用することもできます。ぜひ、竜串の自然を体験する拠点として活用してみてください。

足摺宇和海国立公園竜串ビジターセンター うみのわ
〒787-0450 高知県土佐清水市三崎字今芝4032-2
mail:uminowa◎city.tosashimizu.lg.jp(メール送信の際は、◎を@にご変更ください。)