かがわの脱炭素政策セミナー ~政策決定者向け自然エネルギー講座(第43回:2024/11/20)
国連環境計画は10月24日、世界の温暖化対策について、各国の温室効果ガス削減目標が現在のままなら、すべての国がそれを達成しても地球の平均気温は産業革命前から最大3.1度上昇すると報告。「1.5度目標」を達成するために各国がより高い削減目標を策定するための猶予期間は「数年以内」と指摘。日本については、現状では現在の「46%削減目標」すら「達成できる可能性は低い」と評価(*1)。
昨年~今年の世界平均気温は大きく上昇し、気候危機はより深刻さを増した。世界は、気候危機対策をより強めることを求められている。昨年末のCOP28では、世界全体で「2030年までに自然エネルギー設備容量を3倍に増やす・省エネ改善率を2倍にする」こと及び「化石燃料からの脱却を図り、 この重要な10年にその行動を加速させる」ことの合意が成立(*2)。今年4月末のG7気候エネルギー環境相会合の共同声明には「石炭火力発電の2030年代前半までの段階的廃止」が盛り込まれ、年限を定めた石炭火力廃止のG7合意が初めて成立した(*3)。このように、世界が「1.5度目標」達成に向けて脱炭素を加速させている中で、日本も気候・エネルギー政策の根本的な見直しを迫られている(*3)。
自然エネルギー転換とりわけ風力発電・太陽光発電は、エネルギー分野において最も低コストで潜在量が大きいCO2排出削減策とされる(*4)。風力・太陽光は、日本を含む世界の大部分で、すでに最も安価なエネルギーになっている(*5)。これを背景に、世界では「省エネ(エネルギー効率の向上)・電化・自然エネルギー転換による脱炭素」が加速している。加えて、自然エネルギー事業は化石燃料産業の3倍の雇用を生み出すとされている。これらを背景に、先進諸国ではインフレ抑制法(米)・EUネットゼロ産業法など、国内・地域内における自然エネルギー産業の強化をはかる政策を推進。
日本は、このような政策を欠いており、日本の電源構成中の自然エネルギー比率は著しく低い。しかし、自然エネルギーの潜在量には恵まれ、先進地域では地域からの自然エネ拡大が進む。環境省は、2030年までに自然エネ電力100%の「脱炭素先行地域」を100か所つくる政策を進め、現在38道府県の82地域が選定されている。この政策は、単なる気候危機対策ではなく、地域経済を活性化させ地域課題の解決をはかり持続的な地域社会を構築し地方創生に資することを目的とする。
自治体が、高い温室効果ガス削減目標を掲げ地域主導で脱炭素に取り組むことは、地球の気候危機抑制に貢献するだけでなく、地域社会の雇用・経済・持続・災害などに大きな便益をもたらす。香川のほとんどの自治体は、既存の技術を用いて2050年を待たずに自然エネルギー100%が可能。省エネ・電化・自然エネ転換によって県内のCO2排出量を2030年までに60%以上削減し、2050年までに排出ゼロを実現できる(*6)。このような知見を政策に反映させるべく香川の未来に向けて積極的に気候・エネルギー政策に取り組むみなさまのご参加をお待ちします。
*1:日本経済新聞2024/10/25
*2:COP28=第28回国連気候変動枠組条約締約国会議(2023/11/30~12/13)
*3:同会合では、2022~23年に「2035年までに電力部門の完全又は大宗の脱炭素化の達成」及び「国内の排出削減対策が講じられていない石炭火力発電の段階的廃止を加速する」の合意が成立し、共同宣言に書かれてきた。
*4:国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)『第6次評価報告書 統合報告書』(2023/3)
*5:PPA事業は石炭火力や原発よりも屋根上太陽光が低コストゆえに成り立つ。
*6:歌川学氏の脱炭素シナリオ2023/8/21
【日時】
2024年11月20日(水)17:00~18:30
*日時については柔軟に対応しますのでご相談ください。
【香川における地域からの脱炭素政策に関する継続的テーマ】
気候市民会議・未来世代幸福法・自然エネ100%シナリオ・2030年及び2035年削減目標・脱炭素先行地域・地域新電力・ソーラーシェアリング(設備と営農)・建築物再エネ促進区域制度・屋根上太陽光義務化・PPA・住宅の省エネと断熱等
【実施形態】
オンライン(ZOOM)開催
【参加費】
500円(連続講座です。できれば年間参加コミットでご参加ください)
【参加申込】
メールで下の形でお願いします。
(1)件名「11月脱炭素セミナー申込」
(2)内容
①氏名(初めての方は、簡単な自己紹介をお書き添え下さい。)
②希望参加形態:今回「 オンライン」のみです。
③電話番号:案内メールが届かない場合など、緊急連絡に利用します。
(3)申込先:hibire2023◎gmail.com(メールの際は◎を @ にご変更下さい)柏まで。参加申込みは、可能な限り直前まで受け付けますが、早めにお願いします。
【Web参加について】
・ZOOMを利用します。参加方法などは、お申込みいただいた方に開始前にメールでご連絡差し上げます。
・運営上不行き届きなことが起こるかも知れません。その節はご容赦ください。
また、どのような不都合があったか、お伝えいただければ次から活かします。
【主催】
自然エネルギー100%社会学習会
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【次回予定】2024年12月18日(水)17:00~18:30
【 テーマ 】※実施日時やテーマ等は変更する場合があります。
世界と日本の気候危機対策 / 地域からの脱炭素と地域経済
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■11月自然エネルギー100%社会学習会
2024年11月12日(火)17:30~19:00
詳 細:https://4epo.jp/information/notice/32671.html
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