11月自然エネルギー100%社会学習会(第96回:2024/11/12)
国連環境計画は10月24日、世界各国の温暖化対策が現在のままであるなら、すべての国の温暖化対策が達成できたとしても地球の平均気温は産業革命前から最大3.1度上昇するという報告書を発表。「1.5度目標」を達成するために各国がより高い削減目標を策定するための猶予期間は「数年以内」と指摘した(*1)。
昨年から今年にかけて、世界平均気温が大きく上昇し、世界各地で気候災害が深刻さを増した。世界は、気候危機対策をより強めることを求められている。昨年末のCOP28では、世界全体で「2030年までに自然エネルギー設備容量を3倍に増やす・省エネ改善率を2倍にする」こと及び「化石燃料からの脱却を図り、この重要な10年にその行動を加速させる」ことの合意が成立(*2)。今年4月末のG7気候エネルギー環境相会合の共同声明には「石炭火力発電の2030年代前半までの段階的廃止」が盛り込まれ、年限を定めた石炭火力廃止のG7合意が初めて成立した(*3)。このように、世界が「1.5度目標」達成に向けて脱炭素を加速させている中で、日本も気候・エネルギー政策の根本的な見直しを迫られている(*3)。
自然エネルギー転換とりわけ風力発電・太陽光発電は、エネルギー分野において最も低コストで潜在量が大きいCO2排出削減策とされる(*4)。日本を含む世界の大部分で、風力・太陽光はすでに最も安価なエネルギーになっており(*5)、これを背景に世界では「省エネ(エネルギー効率の向上)・電化・自然エネルギー転換による脱炭素」政策が加速している。
日本は、自然エネルギー電力の比率が低く、自然エネルギー転換に大きく出遅れている。しかし、自然エネルギー資源の潜在量には恵まれており、先進地域では地域からの自然エネルギー拡大が進む。環境省が2022年に始めた、2030年までに自然エネルギー電力100%の「脱炭素先行地域」を全国で100か所つくる政策では、現在38道府県82件が脱炭素先行地域づくりに取り組む。この政策は、単なる気候危機対策ではなく、地域経済を活性化させ地域課題の解決をはかり持続的な地域社会を構築し地方創生に資することを目的とする。自治体が、高い温室効果ガス削減目標を掲げ、地域から積極的に脱炭素に取り組むことは、地球の気候危機抑制に貢献するだけでなく、地域社会の雇用・経済・持続・災害などにも有益。香川のほとんどの自治体は、既存技術を用いて2050年を待たずに自然エネルギー100%が可能。省エネ・電化・自然エネ転換によって県内のCO2排出量を2030年までに60%以上削減し、2050年までに排出ゼロを実現できる(*6)。
自然エネルギー100%社会学習会は、自然エネルギー社会実現に向けて、市民の立場から地域からの脱炭素・自然エネルギー転換を目指す会です。関心ある方の積極的なご参加をお待ちします。
*1:日本経済新聞2024/10/25
*2:COP28=第28回国連気候変動枠組条約締約国会議(2023/11/30~12/13)
*3:同会合では2022~23年の共同宣言において「2035年までに電力部門の完全又は大宗の脱炭素化の達成」及び「国内の排出削減対策が講じられていない石炭火力発電の段階的廃止を加速する」の合意はすでに成立していた。
*4:国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)『第6次評価報告書 統合報告書』(2023/3)
*5:PPA事業は石炭火力や原発よりも屋根上太陽光が低コストゆえに成り立つ。
*6:歌川学氏の脱炭素シナリオ2023/8/21
【日時】
2024年11月12日(火)17:30~19:00
【香川における地域からの脱炭素に関する継続的テーマ】
気候市民会議・未来世代幸福法・自然エネ100%シナリオと2030年及び35年削減目標・脱炭素先行地域・地域新電力・ソーラーシェアリング(設備と営農)・建築物再エネ促進区域制度・屋根上太陽光義務化・オンサイト~オフサイトPPA・住宅の省エネ・断熱等
【実施形態】
オンライン(ZOOM)開催
【参加費】
参加は無料:できれば運営費のカンパをお願いします。
【参加申込】
メールで下の形でお願いします。
(1)件名「11月自然エネ学習会申込」
(2)内容
①氏名(初めての方は、簡単な自己紹介をお書き添え下さい。)
②希望参加形態:今回は「 オンライン」のみ。
③電話番号:案内メールが届かない場合など、緊急連絡に利用します。
(3)申込先:hibire2023◎gmail.com(メールの際は◎を @ にご変更下さい)柏まで参加申込みは、可能な限り直前まで受け付けます。
【Web参加について】
・ZOOMを利用します。参加方法などは、お申込みいただいた方に開始前にメールでご連絡差し上げます。
・運営上不行き届きなことが起こるかも知れません。その節はご容赦ください。
また、どのような不都合があったか、お伝えいただければ次から活かします。
【主催】
自然エネルギー100%社会学習会
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【次回日時】次の実施を予定しています。
2024年12月10日(火)17:30~19:00
【テーマ】※実施日時やテーマ等は変更する場合があります。
1.世界と日本の気候危機対策
2.地域からの脱炭素と地域経済
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■かがわの脱炭素政策セミナー
日 時:2024年11月20日(水)17:00~18:30
詳 細:https://4epo.jp/information/notice/32675.html
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