かがわの脱炭素政策セミナー ~政策決定者向け自然エネルギー講座(第37回:2024/05/22)
4月29日、G7気候エネルギー環境相会合は、石炭火力発電を2030年代前半までに段階的に廃止することで合意。年限を定めた石炭火力廃止の合意は初めて(*1)。日本はGX(グリーントランスフォーメーション)政策で、石炭火力に水素・アンモニアを混焼させてCO2排出量を減らし、2040年代まで石炭火力を使い続けるとする。今回の合意には「温室効果ガスの削減対策をとっている石炭火力」を除外などの例外が認められているが、日本が予定する化石燃料由来の水素・アンモニア混焼が世界から「温室効果ガス削減対策」と認められるかは疑問。世界が取り組む「1.5度目標」達成に整合したCO2削減を進めるには、日本のエネルギー政策は根本的な見直しが必要と考えられる(*2)。
エネルギー利用を、化石燃料から自然エネルギーとりわけ風力発電・太陽光発電にエネルギー転換することは、最も低コストで潜在量が大きいCO2排出削減策とされる(*3)。風力・太陽光発電は、日本を含む世界の大部分で、すでに最も安価なエネルギーになっており(*4)、これを背景に、世界では「インフレ抑制法(米)」「リパワーEU」など「省エネ・電化・自然エネルギー転換による脱炭素」を加速させる政策が進んでいる。日本は、自然エネルギー電力の比率が低く自然エネルギー転換に大きく出遅れる。しかし自然エネルギーの潜在量には恵まれており、先進地域では地域からの自然エネ拡大が始まっている。環境省が22年から始めた「脱炭素先行地域」づくりは、自然エネルギー100%の地域を2030年までに100か所つくる政策。すでに73地域が2030年までの自然エネルギー100%実現に取り組む。この政策は、単なる気候危機対策ではなく、地域経済を活性化させ地域課題の解決をはかり持続的な地域社会を構築し地方創生に資することを目的とする。自治体が、高い温室効果ガス削減目標を掲げ地域主導で脱炭素に取り組むことは、地球の気候危機抑制に貢献するだけでなく、地域社会の雇用・経済・持続・災害などに大きな便益をもたらす。香川のほとんどの自治体は、既存の技術を用いて2050年を待たずに自然エネルギー100%が可能。省エネ・電化・自然エネ転換によって県内のCO2排出量を2030年までに60%以上削減し、2050年までに排出ゼロを実現できる(*5)。このような知見を政策に反映させるべく香川の未来に向けて積極的に気候・エネルギー政策に取り組むみなさまのご参加をお待ちします。
*1:同会合では、これまでも「2035年までに電力部門の完全又は大宗の脱炭素化」を達成すること及び「国内の排出削減対策が講じられていない石炭火力発電の段階的廃止を加速する」ことの合意が成立(2022~23年の共同宣言) 。
*2:詳細は、セミナーで説明します。
*3:国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)『第6次評価報告書 統合報告書』(2023/3)
*4:オンサイトPPAは、石炭火力や原発より屋根上太陽光が低コストゆえに成り立つ。
*5:歌川学氏の脱炭素シナリオ2022/12/25
【日時】
2024年5月22日(水)17:00~18:30
(予定を4月にお伝えした日時に変更しました:申し訳ありません)
*日時については柔軟に対応しますのでご相談ください。
【テーマ】
気候・エネルギー一般に加え、香川における地域からの脱炭素政策に関連して次の問題を継続的に扱います。
気候市民会議・未来世代幸福法・自然エネ100%シナリオと2030年削減目標・35年削減目標・脱炭素先行地域・地域新電力・ソーラーシェアリング(設備と営農)・建築物再エネ促進区域制度・屋根上太陽光義務化・オンサイト~オフサイトPPA・住宅の省エネと断熱等
【実施形態】
オンライン(ZOOM)開催
【参加費】
500円( 連続講座ですので、できれば年間参加コミットでご参加ください。)
【参加申込】メールで下の形でお願いします。
(1)件名「5月脱炭素セミナー申込」
(2)内容
①氏名(初めての方は、簡単な自己紹介をお書き添え下さい。)
②希望参加形態:今回「 オンライン」のみです。
③電話番号:案内メールが届かない場合など、緊急連絡に利用します。
(3)申込先:hibire2023◎gmail.com(メールの際は◎を @ にご変更下さい)柏まで。
参加申込みは、可能な限り直前まで受け付けますが、早めにお願いします。
【Web参加について】
・ZOOMを利用します。参加方法などは、お申込みいただいた方に開始前にメールでご連絡差し上げます。
・運営上不行き届きなことが起こるかも知れません。その節はご容赦ください。
また、どのような不都合があったか、お伝えいただければ次から活かします。
【主催】自然エネルギー100%社会学習会
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【次回日時】次の実施を予定しています。
2024年6月19日(水)17:00~18:30
【テーマ】※実施日時やテーマ等は変更する場合があります。
1.世界の気候危機対策と日本
2.地域からの脱炭素と地域経済
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■自然エネルギー100%社会学習会
市民が地域から気候・エネルギー問題を考え脱炭素を目指す学習会です。
日 時:5月14日(火)17:30~19:00
詳 細:https://4epo.jp/information/notice/31181.html
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