お知らせ・募集 [オンライン,香川県] 2023/03/29

かがわの脱炭素政策セミナー:政策決定者向け気候・エネルギー講座(第24回:4/12)

◼️かがわの脱炭素政策セミナーご案内
 
IPCC『第6次統合報告書』*(2023/3/20公表)は、次のように述べる。
・地球の平均気温は、産業革命前からすでに1.1度上昇。その要因が人間活動による温室効果ガス(GHG)排出であることは「疑う余地がない」。気候変動は、世界の半数が水不足など、すでに広い範囲に深刻な損失と被害をもたらしている。このままでは治水などが難しくなる「適応の限界」を迎える。
・GHG排出量が増えるほど、気候変動が進み「損失と被害が拡大する」。GHG排出が現在のペースで続けば、2030年までに「1.5度上昇」に達する。現在の各国の2030年GHG削減目標では、1.5度を超える可能性が大きい。「住みやすく持続可能な未来のための窓は急速に閉ざされている」 
・世界の気候目標「1.5度」達成には、世界のGHG排出を2025年までに減少に転じさせ、2035年には2019年比60%減らす必要がある。「この10年の我々の選択と行動が、現在と今後数千年に影響する」
・GHGを大幅に削減する手段は、すでに存在。「1.5度目標」達成は、既存の技術によって可能。その中心技術となる自然エネルギーに現在の3~6倍の投資が必要。自然エネ・省エネなど低コスト対策だけで2030年までに排出量半減が可能。
 
「1.5度目標」は、『グラスゴー気候合意』(2021/11採択)によって世界の新たな気候目標になった。その達成に向けて、世界では「省エネ・電化・自然エネルギー転換による脱炭素」が進む。その背景には、自然エネルギーが最も低コストエネルギーとなったことがあり、ウクライナ侵攻と化石燃料価格高騰は、これを加速させた。日本には、エネルギー需要を十分に上回る自然エネルギー資源が各地に潜在し、その開発によって全てのエネルギーを自然エネルギーで賄うことができる。2050年までに日本で「自然エネルギー100%社会」が実現可能とする「自然エネルギー100%シナリオ」は、数多く公表されており、石炭火力と原発ゼロで「1.5度目標」に整合した排出削減と2050年の排出ゼロが可能としている。
 
香川県の8市9町のほとんどは、既存の技術で2050年を待たずに自然エネルギー100%が可能。さらに余剰の自然エネルギー電力を地域外に輸出できるようになる(地域外への燃料費流出がなくなり、売電収入が流入)。エネルギー効率の向上(省エネ)・電化・自然エネルギー転換を進めることによって、県内のCO2排出量は2030年までに63~66%削減(2013比)でき、2050年までに排出ゼロを実現できる(歌川学氏の脱炭素シナリオ2022/12/25)。脱炭素とりわけ自然エネルギー転換を地域から進めることは、地域の雇用を拡大し、地域に経済循環を起こし、地域経済を活性化させる。地域の持続可能性・エネルギー安全保障・災害耐性の向上などに貢献し、自然エネルギー100%を志向する先進的で新しい産業・企業の誘致・育成を促す可能性がある。自然エネルギー社会を目指す政策は、気候政策として香川と世界のために求められていると同時に、香川がエネルギーと経済において自立し、安定した経済と雇用を維持しながら未来への展望をもって存続していくために求められている。環境省「脱炭素先行地域」づくりは、地域が主体となって自然エネルギー事業などに取り組むことによって、気候対策に加えて持続可能なより良い社会の構築を目指す政策。香川でもこの政策を活かす政治が求められている。香川の未来に向けて、積極的に気候・エネルギー政策に取り組むみなさまのご参加をお待ちします。
 
*:IPCC:国連気候変動に関する政府間パネル。1988年に設立。世界の195の国・地域が参加。世界中の科学者が協力して、最新の気候科学を反映した気候変動についての報告書を定期的に作成。『第6次評価報告書』(2021年8月~2022年4月公表)は、世界中の研究者が書いた1万4000本の論文を引用して世界66カ国の200人以上の執筆者によって作成され、3回の査読を経て公表された。(江守正多氏の解説2021/9/30:https://www.asahi.com/sdgs/article/14446463:より)        
 
【日時】
2023年4月12日(水)17:00~18:30
 
【テーマ】
日本の脱炭素政策 
香川における地域からの脱炭素
 
【対象】
地方自治体の議員・首長(元・前職を含む)
 
【実施形態】
諸事情を勘案して、今回はオンライン開催のみとなります。
 
【参加費】
資料代500円程度
(連続講座です。できれば年間コミットでご参加下さい)
 
【参加申込】
メールで下の形でお願いします。
(1)件名「脱炭素セミナー申込」     
(2)内容
 ①氏名(初めての方は、簡単な自己紹介をお書き添え下さい。)
 ②希望参加形態:Web参加のみ(会場開催はありません)。
 ③電話番号:初めてご参加の方
              :案内メールが届かない場合など、緊急連絡に利用します。
 
(3)申込先:stnylbv4926◎mb.pikara.ne.jp(メールの際は、◎を@にご変更下さい)柏まで  
           お問い合わせや参加申込みは、可能な限り直前まで受け付けます。
 
【Web参加について】
・ZOOMを利用します。
 参加方法などは、お申込みいただいた方に開始前にメールで連絡差し上げます。
・運営上不行き届きなことが起こるかも知れません。その節はご容赦ください。
 また、どのような不都合があったか、お伝えいただければ次から活かします。
 
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【次回日時】次の実施を予定しています。
 2023年5月17日(水)17:00~18:30
 
【テーマ】※実施日時やテーマ等は変更する場合があります。
1.香川の排出削減と脱炭素政策
2.香川における脱炭素先行地域づくり
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【自然エネルギー100%社会学習会】
市民の方を対象として、気候・エネルギーに関する課題を幅広く取り上げます*。
脱炭素セミナーへのご参加が難しい方は、こちらへのご参加をおすすめします。
*日本~世界の気候・エネルギー政策、地域からのPPA など
・詳細:第75回自然エネルギー100%社会学習会(4/4)
https://4epo.jp/information/notice/27987.html