四国のすごい! Shikoku’s that is awesome! 了不起的四国![四国EPOがすごいと思った四国の環境情報をお知らせします]
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そうめん流し世界一!への挑戦

放棄竹林の対策にどう取り組むかは、環境に関わる人なら一度は耳にしたことのあるテーマではないだろうか。昔の人の生活道具には、竹を使ったかごやざるなどが多くあった。その頃の竹は、有用な資源として循環利用されていた。

そんな竹が、プラスチックなどの石油製品の普及でどんどん利用されなくなり、いつの間にか、ものすごい勢いで繁茂する邪魔者になってしまった。

しかし、時代がどう流れようと、竹の愛好家や竹の復権を望む人がいる。工芸品としても評価されており、環境の面からも、竹を有効に使った循環サイクルの好事例が、出てくることに期待する動きもある。

前置きが長くなったが、最近、「そうめん流し世界一!への挑戦」に取り組むグループを取材した。香川県の山間部に位置する三木町奥山の津柳地区では、廃校となった旧神山小学校の体育館を利用して、流しそうめん世界一に向けてのチャレンジが始まっていた。

数十名の地元の老若男女による有志が、手際よく近所の竹林から竹を伐採し、半分に割り、中の節を取り除き、そうめん流しに適した形にする作業を行っている。小さな子どもから大人まで、それぞれができる作業を和気あいあいとした雰囲気で続けている。

目標は4,000m。高仙山から道路沿いに竹のレーンをつなぎ、うまくそうめんが流れるようにしなければならない。途方もないかのように思われる作業も毎週の積み重ねで、少しづつ形が出来て行っていた。挑戦は2016年9月。成功すれば、ギネス登録を行う予定である。

あと、数ヵ月に迫り、ボランティアの数も増えている。作業はこれから急ピッチで進む。興味を持たれた方はぜひ、週末の日中は作業をしているそうなので、現地に足を運んでみてはどうだろう。

この取り組み、香川県だけでなく、愛媛県の八幡浜市でも計画されていることを知った。各地での取り組みに注目するとともに、そうめん流しから、竹の循環利用に結び付く動きが1つでも出てきてほしいと願わずにはいられない。

3S活動がエコにつながる

企業のほとんどが、コスト削減や防災・減災、3Sや5S、CSR活動等なんらかの活動を行っています。しかし、その活動が他の視点からみるとどう映るのかについて、考える機会はなかなかないのでは?今回は、3S活動がエコに結び付く事例について紹介します。

取材で伺ったのは、徳島県藍住町内にある㈱ふじやの物流センター。徳島県内で焼肉や和食をはじめとした飲食店を経営している企業です。県内各所に店舗があり、各店に何をどれくらいの量届けるかに関わるのがセンターの主な業務。縁の下の見えない業務ですが、間違ったり遅れたりすると支障をきたすことになるだけに、ミスや誤配送をできる限り減らすことが重要です。そんな業務の中から生まれたアイデアは、ユーモアと英知にあふれ、簡単そうなんだけど、思いつかないという、工夫に満ちたものでした。

例えば、こちらの「切り身ちゃん」イカの切り身用の段ボール。なんの変哲もない段ボールなのですが、段ボールの高さと強度がぴったりということで、センター内の当日配送数を分別する商品の仕切りとして採用。これで、ピッキングミスが劇的に減少したというからすごいです。

切り身2

さらなる秘策としては、棚卸の救世主「ナンプレ君」ボトルの大きさの丸の中に数字を順番に羅列したナンバープレート。この番号の印の上に順番に商品を配置することによって、一目で在庫数が確認できるようになりました。

この他にも、LED照明への切り替えや陳列棚の天板を取り外しビニール張りに変更、薄暗い作業環境を明るくする工夫など、センターの各所に創意工夫を発見することができました。

その結果は、誤配送の軽減や無駄な商品在庫の減少、廃棄商品の減少に始まりスタッフの作業軽減、電気代の削減など驚くほどの削減成果が上がっていました。私たちも3S活動が、エコに結び付くことを実感する良い機会を得ました。

企業の環境活動を推進したいと思っていても、なかなかきっかけがないと思っていましたが、エコ活動はこんな身近なところにあり、実践の成果を図る方法があることに気づかせて貰えました。

自治体と市民の協働取組「とさっ子タウン」が「第8回協働まちづくり表彰」でグランプリを受賞

5月に東京ビッグサイトで開催される「自治体総合フェア2016」※(主催:日本経営協会)の中で、自治体が市民と協働で実施し、魅力ある地域づくりに貢献しているプロジェクトに対して表彰する「第8回協働まちづくり表彰」において高知市がNPO高知市民会議や高知市文化振興事業団等と協働で実施している子どもがつくる仮想の街「とさっ子タウン」が最高賞のグランプリに選ばれました。四国ではグランプリを受賞したのは初めてのことです。

受賞となった「とさっ子タウン」は2009年から実施されており、高校生や大学生、社会人を中心に、高知市、高知市文化振興事業団等とで構成する「とさっ子タウン実行委員会」がその企画・運営を行い、事務局をNPO高知市民会議が担っております。この取り組みは夏休みの2日間、高知市文化プラザを会場として毎年開催されており、銀行や花屋、放送局や消防署、マンガ家、清掃局、スーパー、カフェなど、さまざまな職業を体験し、給料をもらい、税金を納め、スポーツゲームで遊んだり、起業して自分のお店を開くこともできます。また、勉強したい人は「とさっ子スクール」で考古学や、環境学、日本文化なども学ぶことができます。さらにまちの運営に携わりたい人は、選挙を経て市長や議員に選ばれると、議会で話し合いまちのルールを変えることもできるのです。

参加できる子どもは小学4年生~中学3年生の約400名。毎年約半分がリピーターで、こどもの体験的な学びを深めていきます。このような体験をサポートするのは、高校生や大学生。そして専門的な仕事はその道のプロの大人が担います。ここ数年、とさっ子タウンの卒業生が実行委員会に入り運営側として活動したり、さらに実行委員として関わっていた高校生が仕事としてこの事業の事務局を担うなど、参加する子どもも、支える学生も育ちあう仕組みとなっています。

実行委員会は6つの課題別小ユニットに分かれており、そこで具体的な課題について検討され、全体の実行委員会で調整が行われるという仕組みです。そこでは関係する人や組織が課題解決やさらに良くするための工夫についてそれぞれの得意分野を活かしていきます。このような主体的な行動が「まちづくりを担う人材育成」というこの事業の大きな目標に向けて相乗効果を上げており、今回の表彰につながったと言えます。先進的な協働取組として、今後の子どもたちや若者、それを支える人や組織の動きにさらに注目していきたいものです。

※ 「自治体総合フェア」は、行政や自治体の取り組みを紹介する国内最大のイベントで、5月18日(水)から20日(金)までの3日間、東京都江東区の東京ビッグサイトで開催されます。そしてこの表彰式は、5月19日(木)10:30より会場内(E会場)にて行われ、会期中は受賞プロジェクトのパネル展示が行われます。

自治体:高知県高知市   協働団体:NPO高知市民会議、高知市文化振興事業団

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