四国のおすすめ
[香川県]
2022/03/18
多様な関係者とともに、地域での循環社会づくりを目指して
讃岐うどんで有名な香川県では、うどん店において茹でた後に時間が経ち、廃棄せざるを得なくなったうどんや、工場での製造過程で生まれてしまう切れ端などで年間推計6000トン(小麦粉換算)以上が廃棄されています。ごみとして焼却されるうどんを循環サイクルの輪に組み入れ、リサイクルを行うことで食品廃棄物削減を目指す「うどんまるごと循環コンソーシアム」が2012年1月にNPO、企業、地域の自治体、農家など多様な主体により設立されました。
外部機関や環境省事業等の支援もあり、2013年には、うどんの残渣から発電・堆肥化する循環の仕組みが完成しました。以降、メディア取材や一般参加者を対象とした「うどんまるごとエコツアー」を通して、食品廃棄物が循環する仕組みの発信や見学・体験できる学びの場を創出しています。また、同年には、環境省が主催する事業報告会に参加したことがきっかけで、食品ロスの排出抑制についても課題意識を持つようになりました。
■プラント見学の様子 ■エコツアーで小麦種まき体験
その後、さまざまな可能性や機会を大切にしながら、多様な団体や機関との関係性を構築してきた結果の一つとして、社会福祉協議会へ規格外うどんの寄付を定期的に行う「フードバンク連携活動」という取組が生まれました(2020年度までに累計2,000玉のうどんを寄付し、食品ロス削減に貢献しています)。また、SDGs達成や食品ロス削減の機運の高まりもあり、地域での「食品ロス削減」という課題解決に向け、香川県食品ロス削減推進協議会に参画する等、多様なステークホルダーと共に解決しようとする協働の体制が維持されています。
うどんまるごと循環コンソーシアムは設立10年を迎えました。今後は、他地域での波及効果も期待しながら、継続した活動を行っていく予定とのこと。ご興味がある方は是非取組をご覧ください。
■うどんまるごと循環プロジェクト