四国のおすすめ [愛媛県] 2021/08/16

佐田岬裂き織り保存会「オリコの里 コットン」

「裂織り」をご存じでしょうか。経糸(たていと)に木綿など丈夫な糸をかけ、緯糸(よこいと)に使わなくなった布を細く裂いて糸状にしたものを使って織る織物のことです。愛媛県内では佐田岬半島の各地域で裂織りが作られていました。半纏(はんてん)や袖なしのベストなどに仕立てられ、作業着や防寒着、法被などにも使われていましたが、昭和40年代ころから廃れていったそうです。

■裂織り体験の様子

その後、三崎地域において裂織り保存の機運が高まり、2002年に保存会が発足し、旧大佐田小学校に「オリコの里 コットン」が開設されました。

オリコの里にはかつて活用されていた裂織りの衣類が展示され、その風合いや歴史を見学できるとともに、機織り機が12台設置されており、2時間程度で裂織りのテーブルクロスを仕上げる機織りも体験できます。

■オリコ、ツヅレなどと呼ばれる裂織りの衣類

緯糸に使う布は、古くなった浴衣や衣類、使われなかった反物などに加え、最近ではタオル製造の過程でできる長い切れ端が、今治のタオル製造会社から提供されているそうです。

■古い浴衣を割いて緯糸にします

■タオル製造の過程ででる切れ端も緯糸に

佐田岬半島は南北に狭く、山がちの地形で農地が少ないことから綿花の栽培が難しく、布が貴重であったといいます。着物はほどいて仕立て直し、その生地がすり減ってしまったら、裂織りにして半纏にし、それでも使えなくなったら、体の脂が染み付いているのでよい焚き付けになった…と、保存会の方が教えてくださいました。

■裂織りのマット。緯糸の柄が表情を作ります

現在、私たちの暮らしにあふれる衣類・布類ですが、50年ほど前までは大切にリサイクル、アップサイクルされており、当時の思いに気づかされます。数年前にここで機織りを体験させていただきましたが、無心に作業に没頭し、安らかな気持ちになったことが忘れられません。

保存会では「布を裂いて糸を作るところから、じっくり作業して作品を仕上げたい」というニーズに応えるために、近隣の二名津地区の空き家を改修して滞在型の「オリコの里」を準備中とのこと。ここを拠点に、岬の先端を訪ねたり、食などの文化を堪能したりと、風土に根差した佐田岬の暮しを楽しめそうです。

 

オリコの里 コットン

愛媛県西宇和郡伊方町大佐田

090-2783-8357(裂織り保存会代表:小林さん)

体験受付:2日までに電話予約

体験料:テーブルセンター2500円~