四国のおすすめ [高知県] 2021/03/03

森からの贈りもの:日本で唯一の木毛(もくめん)づくり

高知県土佐市にある有限会社戸田商行さんは、国内唯一の「木毛(もくめん)」を製造している事業所です。

木毛を知っていますか?木毛は木材を細長く削りまとめたもので、商品を保護する緩衝材として昔から使われており、日本各地で盛んに製造されていました。しかし、安価なプラスチック製の緩衝材が広く使われるようになると製造工場は減り、製造会社は戸田商行さんだけになりました。

戸田商行さんが木毛を作り続けている理由は、木毛が地域資源を活かした環境保全・循環型の商品であり、森林率84%の高知県の森づくりに役立つこと、そして何より、先代から引き継いだ確かなモノづくりの技術と知恵を継承するという強い思いがあるからです。

そのため、木毛に使う木材は高知県内で伐採された木材にこだわり使っており、つくられた商品は高知県J-VER制度でカーボンオフセットクレジットとして認定されております。

木毛に使われている樹種は松、杉、檜(ひのき)、楠(くすのき)の4種類で、原木を自社で加工し製造しています。汎用性のあるバーカーで樹皮を取り除いた後は、木毛製造機にあわせてカットします。そして、創業時から約60年間稼働している5台の製造機と新たに導入した1台を使い、職人が丁寧に木の目を見ながら削り続けます。削られた木毛は水分が多く、しっとりとしていて、そのままでは使えません。乾燥するために使われる熱源は、製造の過程で出た樹皮や削りくずなどの廃材です。その後、乾燥した木毛は計量・梱包されて国内外へ搬送されていきます。工場では一日最大1トンの木毛を製造していますが、木材は余すところなく使われ、製造工程でごみになる木材はありません。

木毛は3サイズ(幅や厚さ)があり、そのサイズによる弾力や樹種の特徴を活かした使われ方をしています。例えば、一番薄い幅1mm×厚さ0.1mmの松の木毛は人形の詰め物や皮の薄い果物の緩衝材に、同じ幅で厚さが0.15mmのものは、果物やハム、チーズ、陶器や瓶などの緩衝材に使われています。

また、それぞれの木の持つ特徴を活かした商品開発も行われており、檜の香りのリラックス効果を活かした香り袋、楠の防虫効果を活かしたシューズキーパー、松の白さを活かしたリースやブーケづくりなど、活用の幅は広がっています。

最近は地域の持続可能性への意識の高まりとともに、木毛は自然素材を使った緩衝材として注目を集めておりますが、戸田商行さんの森づくりへの思いと、創業者から伝わる職人の技術により生み出された木毛は、緩衝材という脇役でありながら、高知県の84%の森づくりを伝えるメッセンジャーであり、森からの贈り物なのです。

有限会社戸田商行: https://www.toda-shoko.com