自然エネルギー100%社会学習会(第85回:2023/12/5)
IEA(国際エネルギー機関)は10月、年次報告書を公表し、次の予測を示した(*1)。
▷化石燃料の需要は2030年までにピークを迎えて減少に転じる。エネルギー関連のCO2排出量も25年までに減少に転じる。
▷2030年の自然エネルギーの割合は現在の約3割から5割に上昇。
▷30年の電気自動車(EV)の新車販売は現在の10倍に増加。
▷化石燃料のボイラーに代わり,ヒートポンプや電気暖房が広がる。
国連の気候変動に関する報告書は、世界の平均気温上昇を産業革命期から1.5度以内に抑えるためには、世界のCO2排出量を25年までに減少に転じさせ、35年までに19年比65%の削減が必要とする(*2)。これに照らせば、IEA報告書の予測は吉報ではあるが、予断を許さない。IEAは、30年までに世界の自然エネを3倍、自然エネルギー転換への投資を30年までに5倍以上に増やすことが必要としている。
エネルギー部門における最も低コストで効果的なCO2排出削減策は、化石燃料発電から風力発電・太陽光発電への自然エネルギー転換とされている(*2)。この2つは、日本を含む世界の大部分の地域で、すでに最安のエネルギーになっており、世界では「省エネ・電化・自然エネルギー転換による脱炭素」が加速している。
日本は、自然エネルギー転換で世界に大きく遅れをとるが、それでも地域から省エネや自然エネ拡大を進める動きは始まっている。環境省は自然エネルギー100%の脱炭素先行地域を2030年までに全国に100か所つくる政策を昨年から開始。この政策は、気候危機対策にとどまらず、地域経済を活性化させ地域課題の解決をはかり持続的な地域社会を構築し地方創生に資することを目的とする。自治体が自然エネルギー100%をめざし高い削減目標を掲げ地域から積極的に脱炭素に取り組むことは、地球の気候危機抑制に貢献するだけでなく、地域社会の雇用・経済・持続・災害などにも有益。香川のほとんどの自治体は、既存の技術を用いて2050年を待たずに自然エネルギー100%が可能。省エネ・電化・自然エネ転換によって、県内のCO2排出量を2030年までに60%以上削減し、2050年までに排出ゼロを実現することができる(歌川学氏の脱炭素シナリオ2022/12/25)。
自然エネルギー100%社会学習会は、自然エネルギー社会実現に向けて、市民の立場から地域からの脱炭素・自然エネルギー転換を目指す会です。関心ある方の積極的なご参加をお待ちします。
*1:IEA「世界エネルギー見通し2023」報告書(2023/10/24)The World Energy Outlook 2023:https://www.iea.org/reports/world-energy-outlook-2023
*2: 国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)『第6次評価報告書 統合報告書』(2023/3)
【日時】
2023年12月5日(火)17:30~19:00
【テーマ】
1.気候危機の現状と対策
2.世界と日本の気候・エネルギー政策
3.地域からの脱炭素
【実施形態】
オンライン(ZOOM)開催
【参加費】
500円程度:学生無料です。
【参加申込】
メールで下の形でお願いします。
(1)件名「12月自然エネ学習会申込」
(2)内容
①氏名(初めての方は、簡単な自己紹介をお書き添え下さい。)
②希望参加形態:今回は「オンライン」のみ。
③電話番号:案内メールが届かない場合など、緊急連絡に利用します。
(3)申込先:hibire2023◎gmail.com(メールの際は◎を @ にご変更下さい)柏まで
参加申込みは、可能な限り直前まで受け付けます。
【Web参加について】
・ZOOMを利用します。
参加方法などは、お申込みいただいた方に開始前にメールでご連絡差し上げます。
・運営上不行き届きなことが起こるかも知れません。その節はご容赦ください。
また、どのような不都合があったか、お伝えいただければ次から活かします。
【主催】自然エネルギー100%社会学習会
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【次回日時】次の実施を予定しています。
2024年1月9日(火)17:30~19:00
【テーマ】※実施日時やテーマ等は変更する場合があります。
1.世界と日本の気候危機対策
2.地域からの脱炭素と地域経済
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■かがわの脱炭素政策セミナー ~政策決定者向け自然エネルギー講座
気候・エネルギー問題を地域の政策課題として考える講座。地元の自治体議員の方に、ぜひお勧めしてください。
日 時:2024年1月17日(水)17:00~18:30
対 象:地方自治体の議員・首長(元・前職を含む)
詳 細:https://4epo.jp/information/notice/29990.html
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