お知らせ・募集 [全国] 2023/07/25

環境省が、気候変動による災害激甚化に関する影響評価結果について~地球温暖化が進行した将来の台風の姿~についてお知らせ

環境省では、地球温暖化が進行した世界で同様の気象現象が発生した場合どのような影響がもたらされるか評価する事業を実施しています。
今般、令和元年東日本台風(台風第19号)及び、平成30年台風第21号を対象とし、地球温暖化が進行した世界で同様の台風が襲来した場合の影響について評価した内容についてとりまとめました。
その結果、いずれの場合においても、地球温暖化が進行した世界では、台風がより発達した状態で上陸する可能性が示されました。また、中心気圧が実際の台風に比べて低下するとともに、降水量が増加し河川での氾濫のリスクが高まることや、風が強まることで風害や沿岸や河川の河口付近での高潮による浸水のリスクが高まることが示されました。
今後は、平成30年に西日本を中心に大きな被害をもたらした、平成30年7月豪雨を対象として同様の評価を実施するとともに、社会経済分野に関する影響評価手法の調査・検討を行う予定です。

[パンフレット]勢力を増す台風 ~我々はどのようなリスクに直面しているのか~ 2023
https://www.env.go.jp/content/000147982.pdf
[環境省ホームページ 報道発表資料より]

【目的・調査概要】
環境省では令和2年度より、将来の気候変動影響を踏まえた適応策の実施に役立てるため、近年大きな被害をもたらした台風について、文部科学省の気候変動研究プログラムの成果等を活用して、地球温暖化が進行した世界で同様の気象現象が発生した場合どのような影響がもたらされるか評価する事業を実施しています。
本事業では実際に日本に襲来した特定の台風について、地球温暖化が進行した条件下において、同じ位置で台風が発生し、実際と近い経路を通過した場合どのような影響がもたらされるか評価を行っています。
これまでに、令和3年度に中間報告を行った令和元年東日本台風(台風第19号)に加え、平成30年台風第21号を対象とし、地球温暖化が進行した世界※1で同様の台風が襲来した場合の中心気圧や雨量、風速などの変化、洪水や高潮への影響についてスーパーコンピュータを用いたシミュレーションを実施しました。
今後は、平成30年に西日本を中心に大きな被害をもたらした、平成30年7月豪雨を対象として同様の手法を活用した評価を実施するとともに、社会経済分野に関する影響評価手法の調査・検討を行う予定です。

※1 地球温暖化が進行した場合として、以下のシナリオを設定。
2℃上昇シナリオ:世界平均気温が工業化以前(18世紀半ば頃)より2℃上昇(積極的な緩和策により将来の温暖化をかなりの程度抑制した場合)すると仮定
4℃上昇シナリオ:世界平均気温が工業化以前(18世紀半ば頃)より4℃上昇(現状を超える緩和策が行われず、温暖化の抑制ができなかった場合)すると仮定
上記結果と、対象となる各台風が発生した際の気象条件において、同台風を気象モデル再現するために実施したシミュレーション(このシミュレーションの結果を以下では「現在気候」とします)とを比較します。

【留意点】
本調査は、過去の台風と同様の台風が発生した場合の気候変動の影響について評価することを目的としたものであり、シミュレーションした台風が今後発生することを示すものではありません。また、台風はその経路によって大雨や強風等の影響が大きく異なります。本報告は各台風の経路、中心気圧、雨量、風速などについて得られた予測(27ケース)のうち、対象の各台風の経路と近いものとして選択した複数のケースをベースとしたものである点に留意が必要です。

【連絡先】
環境省 地球環境局総務課気候変動適応室
代表 03-3581-3351
直通 03-5521-8242

【詳細】
環境省ホームページ>報道・広報>報道発表一覧>気候変動による災害激甚化に関する影響評価結果について~地球温暖化が進行した将来の台風の姿~
https://www.env.go.jp/press/press_01913.html