お知らせ・募集 [香川県] 2022/02/07

かがわの脱炭素政策セミナー 〜政策決定者向け自然エネルギー講座(第10回)(2/16)

昨年のCOP26では、気候危機対策が大きく前進し、「グラスゴー気候合意」によって世界が初めて地球の平均気温上昇を1.5度以内に抑えることに合意したとされています。

しかし、各国政府が提出した国別削減目標(NDC)は「1.5度目標」には不十分で、今年のCOP27までに各国はNDCを見直すことになりました。「1.5度目標」実現のためには、温室効果ガス(GHG)排出量を世界全体で「2030年までに2010年比45%削減」「2050年までに実質ゼロ:カーボンニュートラル(CN)」が必要とされています。

日本政府は、新たな気候対策目標として、一昨年10月に「2050年度カーボンニュートラル」、昨年4月に「2030年度までに2013年比46%削減」を打ち出しました。この「2013年比46%」は、2010年比では「42%弱」であり、上述の世界全体で求められている削減量の水準を下回ります。

1.5度目標実現のために今後、人類が排出をゆるされる温室効果ガスの量(カーボンバジェット)は400ギガトンとされています。これを世界全体の人口比で割ると、日本には2030年までに最低「2013年比60%」以上の削減が求められます。これまでの累積排出量(世界6位)や一人当たりの排出量(世界5位)などを考慮すれば、日本には気候正義に照らして、より高い2030年目標・排出実質ゼロ年限の前倒し・途上国などへの支援が求められます。

昨年7月の「G7共同声明」では、「G7全体の排出を2030年までに2010年比で約半分削減する」ことに合意しました(38パラ)。また、日本のNDCは「50%の高みを目指す」という含みをもたせています。これらのG7合意やNDC内容に照らして、日本のNDC引き上げは避けられないように思えます。

今は、世界が協力して「1.5度目標」を実現するために、温室効果ガス削減に向けたよりいっそうの取り組みが各国政府に求められている時です。そのための負担を積極的に引き受けることが、気候危機を回避するためだけでなく、日本の国際社会における存在感を保つためにも必要と考えられます。

日本は、エネルギー効率の向上と自然エネルギーの拡大によって2030年までに温室効果ガスを60%削減し、2050年には自然エネルギー100%を実現することで排出量実質ゼロを実現できます。日本には、すべてのエネルギー消費を上回る自然エネルギー潜在量が存在することが確認されています。2050年までに自然エネルギー100%実現が技術的に可能であるとするエネルギーシナリオは、専門家によって複数作られています。

今年は、COP27に向けて日本の気候・エネルギー政策を見直す年です。

自然エネルギーは、世界の7割以上の地域で最も低コストのエネルギーとなり、蓄電池のコスト低下も劇的に進んでいます。これを背景として、世界では民間主導で自然エネルギーへのエネルギー転換が急速に進んでいます。  

国内では、「2050年までに温室効果ガス排出量実質ゼロ」目標を法律として明記し自治体に自然エネルギー活用推進を義務付ける「改正地球温暖化対策推進法」が成立しました(2021/5)。環境省は、2050年を待たずに脱炭素を達成するために今後5年間で全国に100か所の「脱炭素先行地域」をつくる政策を始めました。

自然エネルギー事業は、原発や化石燃料よりも、より大きな雇用を生みます。地域主導で自然エネルギーを拡大することは、地域の雇用を増やし地域経済を活性化させます。全国的に「オミクロン株」の感染が広がっています。コロナ禍からの復興を、自然エネルギー社会への移行を絡めて行う「グリーンリカバリー」が、世界の各国・各地域で提唱され、EU・米国では政策化されています。

香川県においても、地域の自然環境や景観を守りながら、地域社会の参加や合意を重視し、地域に便益をもたらす形で自然エネルギーを拡大しエネルギー転換を進める政策が求められています。地域から自然エネ事業を興し、併せてエネルギー効率の向上を図るための政策について、足元から考え、具体化する。このセミナーが、そのための第一歩となることを願っています。

志ある方のご参加をお待ちします。  

【日時】
2022年2月16日(水)15:00〜16:30(前半プレゼン、後半質疑応答:前半だけ参加可)

【テーマ】
2030年温室効果ガス削減目標 / 香川の脱炭素シナリオ※ / エネルギーアドバイス
※歌川学さん「かがわの脱炭素セミナー」2021/12/12内容に基づいて、
 香川県内での地域からの脱炭素のあり方について考えていきます。

【対象】
地方自治体の議員・首長(ないし経験者)

【実施形態】
Web参加のみ:事前申し込みが必要です。:香川が「まん延防止等重点措置」適用地域になったので、オンライン開催のみとなります。

【参加費】
資料代500円程度 

【参加申込】メールで下の形でお願いします。
(1)件名「脱炭素セミナー申込」    
(2)内容
 ①氏名(双方向的な講座ですので、初めての方は所属ないし簡単な自己紹介を添えて下さい。)
 ②希望参加形態:Web参加
(3)申込先:stnylbv4926◎mb.pikara.ne.jp(メールの際は、◎を@にご変更下さい)柏まで

お問い合わせや参加申込みには、可能な限り直前まで受け付けます。

【Web参加について】
・ZOOMを利用します。
・参加方法などは、お申込みいただいた方に開始前にメールで連絡差し上げます。
・運営上不行き届きなことが起こるかも知れません。その節はご容赦ください。

【今後のテーマと予定】
3月は16日(水)の実施を予定:香川の脱炭素シナリオ、自然エネルギー条例などをテーマとして扱います。