四国のすごい![四国EPOがすごいと思った四国の環境情報をお知らせします]
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食品リサイクル・ループ

小学生の教科書に必ず出てくる「ごみ」ですが、多くの子ども達は、このテーマを学ぶ時期に、清掃工場やごみ処理施設等の見学に行きます。今回は、香川県観音寺市の廃棄物処理施設を取材しました。

説明して下さったのは、(株)パブリックの取締役常務の三野さんとループ事業部次長の鎌倉さん、多くの小学生が見学に来るだけあって、ユーモアを交えテンポよく案内してくれました。工場内には、手作業の選別ラインがあり、プラスチックから金属、木片までさまざまなものが運ばれ分別されていました。IMG_0108

最近、食品ロスや食品リサイクル・ループが話題に上がるようになりました。世界の穀物需給がひっ迫し、食料価格も上昇基調にある中、世界の生産量の3分の1にあたる13億トンの食料が毎年廃棄され、食品ロスの削減は世界的に大きな課題となっています。

こちらに到着した食品廃棄物は、グループ会社の(有)丸亀リサイクルプラザで堆肥化されています。見学した工場は、外見からは堆肥工場であることが全く分からない位、ニオイがないことに驚きました。脱臭対策には、木片チップを活用した独自のシステムが採用されています。

できた堆肥は、「リ・グリーン」という商品として販売。堆肥の安全性や信頼性を確保するため、自社農園のオーガニックファームで季節の野菜を生産し、指定管理で運営している健康交流施設おおのはら萩の湯で販売していました。

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食品事業者とリサイクル業者、農業者等の協働により、堆肥化した食品残さを堆肥化した肥料を使って生産した農産物を販売する食品リサイクル・ループの取り組みが始まっています。まだまだ、主流化には至っていませんが、この流れが当たり前の時代になるのは、もうすぐです。

 

香川県内での環境活動活性化

環境活動を長年続けている人なら、「地球環境基金」という名称を一度は聞いたことがあるかと思います。環境省所管独立行政法人環境再生保全機構が行う助成金事業で、毎年日本国内外の民間団体(NGO・NPO)が開発途上地域または日本国内で実施する環境保全活動に対し支援を行っています。

平成27年度は、総額6億円で209件の事業が採択され、件数・助成額とも過去5年間で最大となりました。助成金のメニューも多様化し、一般助成や入門助成、フロントランナー助成など、民間団体の成長段階や活動規模に応じて応募ができるようになりました。さらに、今年度からは、企業協働プロジェクトとして、一般社団法人日本釣用品工業会からの寄付による「つり環境ビジョン助成」がスタートし、さまざまな協働と支援の仕組みづくりが進められています。

そして、四国EPOでは、この助成金を活用し四国の環境活動活性化につなげようと説明会を各地で実施してきました。今年度も四国内の多くの団体が内定を受ける中、近年採択がほとんどなかった香川県内の団体が10年ぶりに4件も採択されたというニュースが入りました。その内訳は、入門助成でうどんまるごと循環コンソーシアムとみんなでつくる自然史博物館・香川、つり環境ビジョン助成で海守さぬき会とアーキペラゴでした。

これは、昨年の瀬戸内海国立公園制定80周年事業の数々や香川県が中心となって進めている里海事業など、「環境」を考える事業が近年注目されたことも要因としてあるのではと考えます。他県の方から、「最近、環境という言葉が政策の中で語られることが少なくなった。」という声を聞きました。「環境」をキーワードとした「政策協働」の大切さを各主体にどう伝えるか、これからのEPOのミッションを考えさせられました。

四国ESDシンポジウム

2月28日に愛媛県新居浜市にて四国ESDシンポジウムが開催された。今年で2回目となるシンポジウムでは、学校や多様な主体と連携し、各県の特色を取り入れた教育プログラムの作成、実証授業が発表された。

 

愛媛からは、松山市の小学2年生を対象とした「よいまちつくろう!~菜の花プロジェクト~」という題名のもと、菜の花の栽培を通して、植物が種から花を咲かせるまで成長する過程を観察する様子が紹介された。授業の一環で出会った地域の人々から話を聞き、自分たちで考え、意見を共有した。また、栽培した菜の花をおかゆにして食べる際には、紙やナイロンで食器を作るなどして、防災の視点も配慮した。さらに、栽培した菜の花は、JR松山駅に設置され、取組みについて地域の方に知ってもらうことができたようだ。

 

香川のプログラム「山・里・まちのつながりから未来を考えよう~善通寺弘田川調査から分かること」では、善通寺市の中学1年生が身近に流れる弘田川について、生徒の家族や地域の住民に聞き取りを行い、身近に流れる川の今と昔の違いを知ることから始めた。実際に、生徒たちは1月に川に入り、生息している生物を自分の目で観察、つながりを感じることができたようだ。その後、生き物と人間の共生についてグループごとの話し合いが行われた。

 

徳島では「暮らしの中の水を見つめ直そう~アフリカから学ぶ、ふるさとの安全な水と豊かさ」をテーマに、三好市の中学1年生が、日本から遠く離れたアフリカと日本の「水」事情を学び、子どもたちの身近を流れる吉野川について理解を深めるプログラムを実施した。同じアフリカでも都市部には蛇口のついた台所がある一方、農村部では水を得るために子どもたちが水汲みをしている現状があるなど、同じ地域でも違いがあることや10リットルの水を実際にバケツに入れて運ぶ体験を通して、アフリカの子どもたちの大変さを実感した。また、アフリカ支援を行う団体や環境カウンセラーから安全な水の確保が困難な地域があることや身近に流れる吉野川の水質は良好で、恵まれていることを科学的に理解し、地域の資源の豊かさを再認識した。

 

高知では香美市の小学5年生が、旅する蝶アサギマダラの観察を通して、自然環境の多様性や命の大切さを学んだ。マーキングを行うことでアサギマダラが持つ生命力を知るとともに、卵やサナギなどの観察を行い、成長段階が見分けられるようにもなった。また、住民から話を聞くことで、地域の歴史や文化を学ぶことができた。このプログラムを通して、生徒たちは「部分」ではなく「全体」を考えることができるようになったとのこと。

 

以上、いずれの取り組みも子どもたちは、「今まで考えることのなかった現状を知る」、「それぞれの視点で気づいたこと」から「自分達ができることを考える」、「実行に結びつける」という一連の流れを体験した。

 

ESDの視点は、多くの教科に関連するところがあり、工夫次第で通常の授業に取り入れることもできる。外部の協力などを得、地域に根差したプログラムを作ることで、子どもたちの視点の多様化やコミュニケーション能力の向上、ふるさとに対する愛着など、様々な成果が得られる。

 

ESDの取組みが学校をはじめ、社会教育の現場に浸透することを期待しつつ、引き続き、普及啓発に努めたい。