四国のすごい! Shikoku’s that is awesome! 了不起的四国![四国EPOがすごいと思った四国の環境情報をお知らせします]
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サバイエンスキャンプ夏2016

夏イベントの代名詞のひとつ、キャンプ。徳島県では、サバイバルとサイエンスの要素を掛け合わせた一風変わったサバイエンスキャンプ(とくしまエコキャンプ実行委員会主催)というものが毎年開催されていると聞き、徳島県那賀町の鷲敷野外活動センターへ取材に赴いた。

 「一風変わった」と前置きしたが、何が変わっているのか。実はこのキャンプ、子どもの主体性を開かせることを最大の目的としており、詳細な内容は予め設けられていない。予定表を見せていただいたが、実に簡素。何が行われるのか、外部の者が見ただけで判別できるものは少ない。

 取材は、3泊4日のキャンプ2日目におじゃましたのだが、この日の予定は、「ラフティング」、「エコプログラム」、「フリープログラム」、「ナイトプログラム」とだけ書かれてあった。

午前午後のチームに分かれ、ラフティングとエコプログラム(この日は、徳島環境カウンセラー協議会の津川なち子氏によるフードマイレージ講座)に向かう班がある中、フリープログラムとしてお菓子作りやボール遊びなど他のことを始める子どもたちの姿も見られた。

  フードマイレージ講座   OLYMPUS DIGITAL CAMERA

とくしまエコキャンプ実行委員会委員長の鈴鹿剛氏に訊ねると、「子どもたちが自発的に提案してきたプログラムは、危険がない限り採用してやらせます。こちらが準備したプログラムに参加するかどうかも、子ども達自身で選択させます。」とのこと。

詳細な内容がないと前述したが、実は全くの白紙という意味ではない。ネタをいくつか事前に準備してある。しかし、それに子どもたちが興味を持つかは分からない。準備していても出番のないネタも当然あるし、準備していないプログラムを子どもから提案されることもある。あくまでも、子どもの主体を尊重してその日のタイムスケジュールが組まれていく。

 こうなってくると、スタッフには臨機応変、突発的な動きを求められるはずなのに、意外とゆったりと過ごす姿が見られた。これに関しては、鈴鹿氏から印象的な回答が得られた。

「朝のミーティングをとにかく大切にしている。ここをきちんとこなすことで1日の自由(フリー)が決まる。朝のミーティングがうまくいかないと、その日1日が不自由になるのです。」

時間をきちんと守るなど、「自由の枠組み」を与えて自分で考えさせ、自発的な行動へと導く。ここでスタッフにはミーティングの仕切り方を、子どもたちには自由を得るための決まりを身に付けさせていることが分かった。

また、スタッフの人材育成も兼ねている点において特筆すべきは、キャンプという子どもの心が開放される場において、スタッフには“子どもの心に寄り添う”ことに重点を置かせ、対応させているということだ。これから中心的指導者として育つスタッフにとって、このキャンプは子ども達一人ひとりとの距離の詰め方を体得する場にもなっている。

 参加している子ども達はリピーターが多く、スタッフの中にも最初は参加者だったが学年が上がることでスタッフとして加わっている人も見られた。「なんでもやりたい放題で自由だから」ではなく、「思い切り自由を楽しめる方法」を体験を通して身に付けることができるからこそ何度でも参加したくなるのだろう。スタッフ含め参加者約70名の笑顔が、陽射しよりもいきいきと輝いているキャンプだった。

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コウノトリとナベヅルフォーラム

兵庫県豊岡市で放鳥されたコウノトリが、徳島県鳴門市で巣作りを始めた記事が新聞等で紹介されるとともに、四国内では、コウノトリだけでなく、ロシアから飛来するナベヅルの話題を耳にするようになった。

どちらも絶滅が危惧されており、なぜ、四国の各地に飛来するようになったのかが気になる中、2016年7月、徳島市内でコウノトリとナベヅルフォーラムが開催された。

専門家からそれぞれの生態と習性に関する概要説明の後、専門家と生産農家をまじえたパネルディスカッションが行われた。野生復帰したコウノトリに選ばれた理由や四国へのナベヅルの飛来数の増加など、経年変化をみないとわからない部分があるにせよ、餌付けをしていない状態で、エサとなる生き物が多く、豊かな自然生態系があることが鍵となったのではないかという意見が出た。

確かに、鳴門市のコウノトリが巣をつくった場所の周辺には、レンコン畑が広がっている。さらに、ナベツルが飛来しねぐらにしているのは、那賀川の中須でその周辺には水田が広がっている。

野生のコウノトリやナベヅルが、広大な土地から特定の場所を選択するには、本能的な選択基準があるはずだ。もし、その基準が可視化され、私たちが土地改変や開発、環境保護を進める際の尺度とすることができれば、生物多様性の主流化に向けての更なる一歩が踏み出せるのではないかと期待している。今後の関係者からの成果報告や動きに着目したい。

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そうめん流し世界一!への挑戦

放棄竹林の対策にどう取り組むかは、環境に関わる人なら一度は耳にしたことのあるテーマではないだろうか。昔の人の生活道具には、竹を使ったかごやざるなどが多くあった。その頃の竹は、有用な資源として循環利用されていた。

そんな竹が、プラスチックなどの石油製品の普及でどんどん利用されなくなり、いつの間にか、ものすごい勢いで繁茂する邪魔者になってしまった。

しかし、時代がどう流れようと、竹の愛好家や竹の復権を望む人がいる。工芸品としても評価されており、環境の面からも、竹を有効に使った循環サイクルの好事例が、出てくることに期待する動きもある。

前置きが長くなったが、最近、「そうめん流し世界一!への挑戦」に取り組むグループを取材した。香川県の山間部に位置する三木町奥山の津柳地区では、廃校となった旧神山小学校の体育館を利用して、流しそうめん世界一に向けてのチャレンジが始まっていた。

数十名の地元の老若男女による有志が、手際よく近所の竹林から竹を伐採し、半分に割り、中の節を取り除き、そうめん流しに適した形にする作業を行っている。小さな子どもから大人まで、それぞれができる作業を和気あいあいとした雰囲気で続けている。

目標は4,000m。高仙山から道路沿いに竹のレーンをつなぎ、うまくそうめんが流れるようにしなければならない。途方もないかのように思われる作業も毎週の積み重ねで、少しづつ形が出来て行っていた。挑戦は2016年9月。成功すれば、ギネス登録を行う予定である。

あと、数ヵ月に迫り、ボランティアの数も増えている。作業はこれから急ピッチで進む。興味を持たれた方はぜひ、週末の日中は作業をしているそうなので、現地に足を運んでみてはどうだろう。

この取り組み、香川県だけでなく、愛媛県の八幡浜市でも計画されていることを知った。各地での取り組みに注目するとともに、そうめん流しから、竹の循環利用に結び付く動きが1つでも出てきてほしいと願わずにはいられない。