四国のすごい![四国EPOがすごいと思った四国の環境情報をお知らせします]
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石鎚山で環境配慮型トイレ本格稼働

 西日本最高峰の石鎚山(1982メートル)に、平成26年11月20日、石鎚山公衆トイレ休憩所がオープンしました。場所は、西条市側の登山口・成就からの登山道と久万高原町側の登山口・土小屋からの登山道が出合う地点、標高1820メートルの二の鎖元です。便器数は男性用大1、小2、女性用が3。休憩所は避難小屋の機能を有し、積雪時には2階の窓から出入りできるように梯子が設置されています。

 

◆新設された石鎚山公衆トイレ休憩所P1

◆休憩所・避難所の機能もP2

 

 このトイレの特徴は環境を配慮した土壌処理方式が採用されたこと。設置後の故障が少なく、維持管理費用が比較的低コストであるため、高山におけるトイレで多く採用されています。そして、維持管理のためにチップ制を導入。1回あたり100円の協力金またはクーポン券を投入するようになっており、1000円で12枚のクーポン(本年6月より)を登山口などで購入することもできます。快適に利用できますが、処理能力に限りもあるので、なるべく登山口でトイレを済ませることや、使用したペーパーは分別するなど、登山者に引き続き理解を求めていく必要があります。

 

◆協力金をお願いしていますP3

◆見た目は一般のトイレですが、表示された使い方に従ってP4

 

 このトイレ建設は、関係者にとっては長年の思いが実ったものでした。従来のトイレは古く放流式で使用がためらわれたり、自然への悪影響が懸念され、また登山道脇での排泄も後を絶たない状況がありました。長年関係者が抱いていた課題を直視し、石鎚山のトイレの在り方を提言しようと、愛媛県山岳連盟をはじめとする登山グループ・宿泊施設・地元で活動するNPOなどによって「石鎚山トイレ問題検討委員会」が平成22年に発足。並行して、愛媛県自然保護課の呼びかけによって「石鎚山クリーンアップ推進連絡会」が、西条市・久万高原町・石鎚神社なども加わってスタートし、現状の把握とともに、建設場所やトイレのタイプの検討、マナー向上のための啓発活動などが推進されました。

平成26年4月には推進連絡会を発展させた「石鎚山クリーンアップ協議会」が設立。トイレ完成後も、「石鎚山環境保全応援団」を募集して維持管理のための寄付金を募るとともに、保守点検の仕組みづくりや、従来のトイレの撤去、携帯トイレ導入など、「日本一美しい山のトイレ」を目指してクリアすべき課題が認識されており、知恵とマンパワーを出し合いながら一つずつ取り組んでいく方針です。

本格的な山歩きのシーズンを迎えた5月23日、石鎚山クリーンアップ協議会の主催で環境啓発登山が行われ、新しいトイレ休憩所でセレモニーを行い、ゴミを収集しながら下山しました。本年は石鎚国定公園指定60周年の記念すべき年。今回の啓発登山は、そのキックオフイベントと位置付けられ、8月9日(日)、9月12日(土)にも開催されます。11月1日(日)には愛媛県生涯学習センターで記念シンポジウム「地域の宝『石鎚』を未来へ(仮題)」が行われるほか、久万高原町・西条市双方でスタンプラリーやウォーキング大会、エコツアー、子供たちが石鎚山への思いを書いたテープを山頂までつなぐイベントなどが開かれるので、ぜひ注目してください。石鎚の自然の特徴や魅力を再認識し、未来に伝えるための機会となることが期待されています。

 

◆5月23日には久万高原町側の登山口・土小屋にみきゃんも登場P5

◆啓発登山のセレモニーP6

 

NPO法人石鎚森の学校のHPに「石鎚山のトイレ」のページが開設され、新しいトイレの使い方や案内図、「携帯トイレとは?」などの情報が掲載されています。

http://ishizuchi.net/restroom/

食品リサイクル・ループ

小学生の教科書に必ず出てくる「ごみ」ですが、多くの子ども達は、このテーマを学ぶ時期に、清掃工場やごみ処理施設等の見学に行きます。今回は、香川県観音寺市の廃棄物処理施設を取材しました。

説明して下さったのは、(株)パブリックの取締役常務の三野さんとループ事業部次長の鎌倉さん、多くの小学生が見学に来るだけあって、ユーモアを交えテンポよく案内してくれました。工場内には、手作業の選別ラインがあり、プラスチックから金属、木片までさまざまなものが運ばれ分別されていました。IMG_0108

最近、食品ロスや食品リサイクル・ループが話題に上がるようになりました。世界の穀物需給がひっ迫し、食料価格も上昇基調にある中、世界の生産量の3分の1にあたる13億トンの食料が毎年廃棄され、食品ロスの削減は世界的に大きな課題となっています。

こちらに到着した食品廃棄物は、グループ会社の(有)丸亀リサイクルプラザで堆肥化されています。見学した工場は、外見からは堆肥工場であることが全く分からない位、ニオイがないことに驚きました。脱臭対策には、木片チップを活用した独自のシステムが採用されています。

できた堆肥は、「リ・グリーン」という商品として販売。堆肥の安全性や信頼性を確保するため、自社農園のオーガニックファームで季節の野菜を生産し、指定管理で運営している健康交流施設おおのはら萩の湯で販売していました。

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食品事業者とリサイクル業者、農業者等の協働により、堆肥化した食品残さを堆肥化した肥料を使って生産した農産物を販売する食品リサイクル・ループの取り組みが始まっています。まだまだ、主流化には至っていませんが、この流れが当たり前の時代になるのは、もうすぐです。

 

香川県内での環境活動活性化

環境活動を長年続けている人なら、「地球環境基金」という名称を一度は聞いたことがあるかと思います。環境省所管独立行政法人環境再生保全機構が行う助成金事業で、毎年日本国内外の民間団体(NGO・NPO)が開発途上地域または日本国内で実施する環境保全活動に対し支援を行っています。

平成27年度は、総額6億円で209件の事業が採択され、件数・助成額とも過去5年間で最大となりました。助成金のメニューも多様化し、一般助成や入門助成、フロントランナー助成など、民間団体の成長段階や活動規模に応じて応募ができるようになりました。さらに、今年度からは、企業協働プロジェクトとして、一般社団法人日本釣用品工業会からの寄付による「つり環境ビジョン助成」がスタートし、さまざまな協働と支援の仕組みづくりが進められています。

そして、四国EPOでは、この助成金を活用し四国の環境活動活性化につなげようと説明会を各地で実施してきました。今年度も四国内の多くの団体が内定を受ける中、近年採択がほとんどなかった香川県内の団体が10年ぶりに4件も採択されたというニュースが入りました。その内訳は、入門助成でうどんまるごと循環コンソーシアムとみんなでつくる自然史博物館・香川、つり環境ビジョン助成で海守さぬき会とアーキペラゴでした。

これは、昨年の瀬戸内海国立公園制定80周年事業の数々や香川県が中心となって進めている里海事業など、「環境」を考える事業が近年注目されたことも要因としてあるのではと考えます。他県の方から、「最近、環境という言葉が政策の中で語られることが少なくなった。」という声を聞きました。「環境」をキーワードとした「政策協働」の大切さを各主体にどう伝えるか、これからのEPOのミッションを考えさせられました。