2016/07/31

コウノトリとナベヅルフォーラム

兵庫県豊岡市で放鳥されたコウノトリが、徳島県鳴門市で巣作りを始めた記事が新聞等で紹介されるとともに、四国内では、コウノトリだけでなく、ロシアから飛来するナベヅルの話題を耳にするようになった。

どちらも絶滅が危惧されており、なぜ、四国の各地に飛来するようになったのかが気になる中、2016年7月、徳島市内でコウノトリとナベヅルフォーラムが開催された。

専門家からそれぞれの生態と習性に関する概要説明の後、専門家と生産農家をまじえたパネルディスカッションが行われた。野生復帰したコウノトリに選ばれた理由や四国へのナベヅルの飛来数の増加など、経年変化をみないとわからない部分があるにせよ、餌付けをしていない状態で、エサとなる生き物が多く、豊かな自然生態系があることが鍵となったのではないかという意見が出た。

確かに、鳴門市のコウノトリが巣をつくった場所の周辺には、レンコン畑が広がっている。さらに、ナベツルが飛来しねぐらにしているのは、那賀川の中須でその周辺には水田が広がっている。

野生のコウノトリやナベヅルが、広大な土地から特定の場所を選択するには、本能的な選択基準があるはずだ。もし、その基準が可視化され、私たちが土地改変や開発、環境保護を進める際の尺度とすることができれば、生物多様性の主流化に向けての更なる一歩が踏み出せるのではないかと期待している。今後の関係者からの成果報告や動きに着目したい。

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