2016/04/28

自治体と市民の協働取組「とさっ子タウン」が「第8回協働まちづくり表彰」でグランプリを受賞

5月に東京ビッグサイトで開催される「自治体総合フェア2016」※(主催:日本経営協会)の中で、自治体が市民と協働で実施し、魅力ある地域づくりに貢献しているプロジェクトに対して表彰する「第8回協働まちづくり表彰」において高知市がNPO高知市民会議や高知市文化振興事業団等と協働で実施している子どもがつくる仮想の街「とさっ子タウン」が最高賞のグランプリに選ばれました。四国ではグランプリを受賞したのは初めてのことです。

受賞となった「とさっ子タウン」は2009年から実施されており、高校生や大学生、社会人を中心に、高知市、高知市文化振興事業団等とで構成する「とさっ子タウン実行委員会」がその企画・運営を行い、事務局をNPO高知市民会議が担っております。この取り組みは夏休みの2日間、高知市文化プラザを会場として毎年開催されており、銀行や花屋、放送局や消防署、マンガ家、清掃局、スーパー、カフェなど、さまざまな職業を体験し、給料をもらい、税金を納め、スポーツゲームで遊んだり、起業して自分のお店を開くこともできます。また、勉強したい人は「とさっ子スクール」で考古学や、環境学、日本文化なども学ぶことができます。さらにまちの運営に携わりたい人は、選挙を経て市長や議員に選ばれると、議会で話し合いまちのルールを変えることもできるのです。

参加できる子どもは小学4年生~中学3年生の約400名。毎年約半分がリピーターで、こどもの体験的な学びを深めていきます。このような体験をサポートするのは、高校生や大学生。そして専門的な仕事はその道のプロの大人が担います。ここ数年、とさっ子タウンの卒業生が実行委員会に入り運営側として活動したり、さらに実行委員として関わっていた高校生が仕事としてこの事業の事務局を担うなど、参加する子どもも、支える学生も育ちあう仕組みとなっています。

実行委員会は6つの課題別小ユニットに分かれており、そこで具体的な課題について検討され、全体の実行委員会で調整が行われるという仕組みです。そこでは関係する人や組織が課題解決やさらに良くするための工夫についてそれぞれの得意分野を活かしていきます。このような主体的な行動が「まちづくりを担う人材育成」というこの事業の大きな目標に向けて相乗効果を上げており、今回の表彰につながったと言えます。先進的な協働取組として、今後の子どもたちや若者、それを支える人や組織の動きにさらに注目していきたいものです。

※ 「自治体総合フェア」は、行政や自治体の取り組みを紹介する国内最大のイベントで、5月18日(水)から20日(金)までの3日間、東京都江東区の東京ビッグサイトで開催されます。そしてこの表彰式は、5月19日(木)10:30より会場内(E会場)にて行われ、会期中は受賞プロジェクトのパネル展示が行われます。

自治体:高知県高知市   協働団体:NPO高知市民会議、高知市文化振興事業団

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