2016/01/14

馬原アカリ医学研究所(徳島県阿南市)

日本で唯一のダニ専門の研究施設が四国にあることをご存知でしょうか。

徳島県阿南市にある「馬原アカリ医学研究所」。温かみすら感じる“アカリ”とは、実は学名(ラテン語)でダニのこと。こちらでは、日本紅斑熱をはじめとするダニ媒介性疾患の検査や診療支援、研究が行われています。

まだみなさんの記憶にも新しいのではないでしょうか、一時期メディアで多く取り上げられた「マダニ」。リケッチア(※)の一種である、リケッチア・ジャポニカの菌を持つマダニに刺されると日本紅斑熱を発症します。この日本紅斑熱を発見したのが、馬原医院院長の馬原文彦氏です。この発見は、国内のみならず国際学会においても大きく取り上げられました。馬原氏の長年にわたる臨床治療や基礎的研究により確立された日本紅斑熱の治療法は、多くの医療現場で応用されています。

実は過去、日本には唯一のダニの民間研究施設「大原綜合病院附属大原研究所」がありましたが、2012年に88年の歴史に幕を閉じることとなり、長年培われた知識や経験が失われてはいけないと、馬原氏が診療所の近くに馬原アカリ医学研究所を開設しました。大原研究所で主任研究員を務め、30年近く馬原氏と共同研究を重ねてきた藤田博己氏を所長として迎え、新たな研究活動をスタートさせたのです。併設して「馬原ダニの資料館」もあります。

「ダニ」と聞くと、抵抗を感じる人が多いと思います。私もそうでしたが、藤田氏からダニの生態について説明を受け、アカリワールドを知れば知るほど面白く、奥深い分野だと感心してしまいました。阿南市の教育委員会も、阿南市特有の教育の場として小中学校へ利用を推奨しています。

隣接して、おしゃれなカフェ(あかりカフェ)もあります。みなさんも是非、アカリワールドに触れてみてください。

※馬原アカリ医学研究所の連絡先:0884-36-3601

リケッチアとは、Rickettsia属の微生物の総称。ダニ等を媒介とし、ヒトに各種リケッチア症を引き起こす。