2015/12/28

第5回四国生物多様性会議in西条「西条市の自然をめぐるエクスカーション!」

四国生物多様性ネットワーク(※)が例年開催している四国生物多様性会議、今年度は12月5日に愛媛県西条市で開催されました。翌6日にはエクスカーションが同地において実施され、今回はその内容を紹介します。

※四国生物多様性ネットワークとは、四国における生物多様性の保全活動を行う様々な主体の連携を促進し、豊かな自然環境の保全、自然と人が調和した社会基礎の構築を目指すネットワークです。

 

1.うちぬきウォークラリー

石鎚山系の伏流水・うちぬきの恵み豊かな、西条市アクトピア水系を西条自然学校の山本貴仁氏やスタッフの方の解説のもと、自然観察を行いました。同地区はいたるところから湧水があふれており、透明度の高い水の中にたくさんの魚影を確認しました。水草もたくさんありましたが、そのほとんどは外来種との説明を受けました。料理などで使われるクレソンなどの根が台所から流れ着き、繁殖することもあるようです。家庭やマンションでも地下から水をくみ上げて使用しているところもあり、西条市が水に恵まれていることがわかります。泉はいつもきれいに保たれ、「地域の自慢の泉」とお話になる住民の方の様子が印象的でした。誇りをもって、地域の環境保全することの原点を垣間見たような気がしました。

 

 

 

 

 

 

 

2.神秘のシダ・コケ・ミステリーエコツアー

最初に訪れたのは、西条市丹原町の山中にある集落跡です。こちらには、もともと30世帯程が暮らしていましたが、道路がつかなかった為、10年前に最後の世帯が山を下りたことにより廃集落となりました。集落跡への険しい道中には、数多くの美しいシダやコケが自生しており、シダだけでも80種類が確認されているとのこと。中には雑種のシダもあり、案内人の小澤潤氏(NPO森からつづく道副代表)から、「里と人と自然が結びつき、人の生活の中で生まれた雑種。これこそ里山のシダと言ってよいだろう。」と説明を受けました。また、集落の人々が山林を管理し、有害鳥獣からも山を守っていたが、集落消失後は山が荒れ始め、イノシシが餌を求めて山を下りるようになったとの説明を受け、近年、町での被害が広がりつつある獣害への知見を深めました。また、集落跡には、高いものでは背丈以上にもなる石垣があり、すべて手作業で築かれた歴史を振り返りながら、先人の知恵と努力に息をのみました。

 

 

 

 

 

 

 

次に足を運んだのは千原鉱山跡。目的地までは、道らしい道もなく、山の斜面や崖を分け下りながら進んで、やっとの思いで辿り着きました。実はここは、世界中の研究者を魅了するコケの聖地だそうで、深緑のイワマセンボンゴケが岩にびっしりと生え広がる光景は圧巻でした。道のりが本当に厳しく大変だったのですが、人が近寄りづらいからこそ守られている生態系に感動しました。

さらにここでは、岩場の所々に銅が浸み出した茶色い変色が見られ、その近くにはカナヤマシダが生えていました。昔より山師たちは、この植物を頼りに銅を探し出していたそうで、人が自然から受けていた恩恵と知恵に触れることができました。

人と自然がつながるからこそ保たれる里地里山の調和と、人が余計な介入をしないからこそ保たれる生態系環境。自然の豊かさについて、より深く考える良い機会となりました。

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