2018/12/17

豊島(てしま)展・記念シンポジウム~ごみ問題に向き合う

瀬戸内海の豊島(香川県)における産業廃棄物不法投棄事件をご存知でしょうか。1975年に業者による有害産業廃棄物処分場の許可申請に端を発し、住民による反対運動、取締りの要請にもかかわらず、不法投棄が1990年まで続けられました。住民・市民は中坊公平氏ら弁護団の支援を得て廃棄物の撤去を求める運動を展開し、ようやく2000年に香川県との公害調停が成立。2003年から廃棄物の撤去と直島での無害化処理が開始されました。そして、2017年3月に最後の廃棄物搬出船が豊島を出航し、42年にわたって続いた住民と市民の活動は区切りを迎えました。

<愛媛大学ミュージアムで開催の豊島展>

日本最大規模と言われた不法投棄と向き合った豊島の経験をこれからの社会に活かそうと、その過程を写真パネル等で振り返る「豊島展」がNPO法人瀬戸内オリーブ基金(以下、オリーブ基金)によって開催されています。オリーブ基金はこの展示を通して、「都市部で発生した大量のごみが不法投棄によって抵抗力の弱い過疎の島に流入し、住民が死にものぐるいの声をあげなくてはならなくなったこと」「破壊された自然を回復するためには莫大な費用と手間がかかること」「大量廃棄の社会から資源循環型社会・持続可能な社会への転換を考えなくてはならないこと」を伝えたいとのメッセージを掲げています。


<展示の様子>

「豊島展」は2017年7月に高松市、同11月に東京都豊島区において行われ、本年10月24日~12月17日には愛媛大学法文学部兼平研究室が主催に加わり、愛媛大学ミュージアム企画展示室にて開催されています。11月24日には、同展の開催を記念してシンポジウム「豊かな島と海を次の世代へ」が開催され、豊島事件を振り返るとともに、マイクロプラスチックに関する世界の取組と研究の報告、パネルディスカッションがありました。
「マイクロプラスチックも豊島の問題も、ごみが自分の目の前から無くなりさえすれば問題にしないという、これまでの消費者の姿勢が生み出したもの。一人ひとりが自分事としてごみの問題に向き合うきっかけにしていただきたい」と、オリーブ基金の担当者がシンポジウムへの期待を話されていました。

<豊島展記念シンポジウムの様子>

マイクロプラスチックの存在と環境への影響が発信されるようになり、ごみ問題は待ったなしで向き合うべき課題との認識が高まっています。海ごみについては世界的な規模は計り知れず、発生の抑制と存在するごみの除去を果てしなく継続する必要があります。が、豊島事件に向き合ってきた市民が解決の道を切り開いてきたように、「決してあきらめず、多様な関係者が協働して対応を進めていくことが大切」という思いを強くすることができました。豊島の知見を踏まえ、愛媛大学などの最新の研究を学びながら、海に囲まれ、海の恩恵を受けて来た四国から、取組が発信できるよう、活動と連携を発展させていきましょう。

豊島産廃問題については、オリーブ基金が制作した専用サイトをご参照ください。
豊島・島の学校「豊かな島と海を次の世代へ」
http://www.teshima-school.jp